第9章  コンサルティング契約書

 


 ここでいうコンサルティング契約というのは、システム開発の工程のうちシステム化計画、調査 分析、システム提案といった上流工程についての委託契約のことである。個々の条項の問題点については第6章を参照していただきたいが、委任型のシステム開発委託契約に類似したものである。

(1)一括料金のコンサルティング契約書(契約1)

 契約1は、システム開発に着手する前段階でのコンサルティング契約書例である。ここでのポイントは、作業項目 内容だけではなく最終的な成果物に着目して業務内容を特定することである。作業項目 内容というのはあくまで成果物を作成するための手段である。

 従って、最もよいのは、契約書に報告書の様式を添付する方法であろう。この場合、できれば様式だけでなく記載例の入ったものがよい。

  契約1 一括料金のコンサルティング契約書


コンサルティング契約書

       (以下、甲という)と       (以下、乙という)とは、以下の条項により、コンサルティングサービス契約を締結します。         

 第1条(コンサルティングサービスの内容)                

 本契約でいうコンサルティングサービス(以下サービスといいます)とは、甲が行う下記の情報システムの開発についての下記の各号に掲げる援助をいいます。  

 対象システム   ○○業における顧客情報管理システム          

 ①○○業における顧客情報管理システムについて先進他社事例5社についての調  査

 ②甲におけるあるべき顧客情報管理システムの提案             

 ③全社システムの中での顧客情報管理システムの位置づけとシステムの統合化に  ついての提案                              

2 前項のサービスは、下記の各号によって提供されます。          

 ①別紙に掲げる事項を網羅した報告書の提出                

 ②中間報告会、最終報告会の開催                     

 ③○○時間以内で甲の所在地で行われる質問に対する口頭による回答     

3 前項の報告書は、全体でおおむね○○頁以内とし、乙はワードプロセッサーの出
 力用紙を版下として○部複写して甲に提出します。             

 第2条(期間)                             

 本契約の期間は本契約締結日より○ケ月間とします。報告会等の日時は別途協議いたします。                                

 第3条(委託金額)                           

 甲は、乙に対して金      円を最終報告会を開催した月の翌月末日までに銀行送金により支払います。                         

 第4条(甲の協力)                           

 本契約締結後、甲は、乙の指示に基づき必要な甲側の担当者を選任し書面で乙に通知するとともに、乙が、選任された担当者に対してヒアリング、資料の提出等を求めることを周知徹底させるものとします。                   

 第5条(中途解除)                           

 本契約が契約期間中に解除された場合、解除原因を問わずその解除の効力は乙の未履行部分についてのみ生じ、甲は乙より履行した部分の引き渡しを受けて、委託金額を甲、乙協議のうえ精算するものとします。                 

 第6条(機密保持)                           

 乙は、本契約の履行に伴い知った甲の財務、人事、顧客、営業についての機密を保持する義務を負い、本契約に基づき甲にサービスを提供する担当者以外には一切開示いたしません。                              

2 本契約の履行に伴い甲より提供を受けた資料について、乙は甲の承諾なく複製、
 の事業所外への搬出をしないことはもちろん、本契約終了後ただちに甲に返還しま
 す。                                 

 第7条(貸与品)                            

 甲は、乙のために下記の各号の物件を無償で貸与します。ただし、複写機のランニングコスト、電話の通話料は乙所定の用紙に記録し、第3条の委託金額より差し引くものとします。                              

 ①乙の担当者が作業できる独立した区画                  

 ②事務用椅子 机 ○○セット                      

 ③書類保管キャビネット(施錠が可能なもの)               

 ④複写機                                

 ⑤電話                                 

 第8条(責任制限)                           

 本契約に基づくサービスの提供によって、乙が甲に対して負う責任は、乙が明らかに誤ったサービスを提供した場合のサービスの再実施に限られます。乙が提案した内容の実施は、甲の責任において行われるものとします。            

 本契約の成立を証して本書2通を作成し、甲乙双方記名押印のうえ各自一通を保有します。                                 

  平成  年  月  日                        
                     甲                    

                     乙                    

                                        

 

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