2 システムインテグレーションサービス契約書
(1)基本契約と個別契約に分けて行う場合の基本契約書(契約1)

 契約1は、個別契約を①基本計画、②概要設計、③詳細設計以降というように3段階に分けて締結することを前提とした基本契約書例である。

 この基本契約書では、①、②については期間契約、③については一括請負の形式になっている。

 契約1 基本契約と個別契約に分けて行う場合の基本契約書


システムインテグレーションサービス基本契約書

        
 ○○工業株式会社を甲とし、○○システム株式会社を乙として、甲が行うコンピュータを利用した業務処理システムの開発(以下、対象業務といいます)について、乙は、甲に対して本契約に定める条項に従ってシステムインテグレーションサービスを提供します。                                

 第1条(定義)                              

 乙が甲に提供するシステムインテグレーションサービス(以下、サービスといいます)とは、対象業務について下記の業務を行うことをいいます。         

  ① 対象業務を開発するための調査・分析                 

  ② 対象業務についてのシステムの設計                  

  ③ 対象業務についてのプログラムの作成                 

  ④ 対象業務についての試験                       

  ⑤ 対象業務の導入準備、実施の支援                   

  ⑥ 対象業務についての保守                       

  ⑦ 前各号に付帯するその他の業務                    

 第2条(個別契約)                            

 本契約に基づき乙がサービスを提供する場合、甲と乙とは別に個別契約を締結します。
                                    
2 個別契約は、乙所定の個別契約書に双方が署名(記名) 押印することによって
 効力が生じます。                             

3 保守については、第17条の無償保証期間終了後に甲、乙協議のうえ別に保守
 契約を締結します。                             

 第3条(本契約の有効期間)                        

 本契約の有効期間は、平成 年 月 日から○カ年間とします。ただし、期間満了の60日前までに、甲、乙いずれかが書面による本契約終了の意思表示をしない限り期間満了の翌日から1年間延長されるものとし、その後も同様とします。     

2 第1項に定める本契約の有効期間内に成立した個別契約は、本契約の有効期間
 にかかわらず個別契約で定める期間中有効に存続し、本契約も当該個別契約の終
 了まで有効に存続します。                           

3 甲、乙は、第4条第1項に定める工程を単位として、その後の工程についての個
 別契約の締結を拒むことができるものとします。               

第4条(委託料の算定と支払)                       

 委託料は、下記の工程ごとに下記のように定め、その額、支払方法は個別契約で定めます。                                  

  ① 基本計画………要員数により月額で定め、その支払いは毎月行われます。

  ② 概要設計………………………………  同上              

  ③ 詳細設計 プログラミング テスト 導入準備………一括して定めます。 

 各工程の業務内容は、乙の開発標準によります。               

2 前項の①基本計画、②概要設計については、作業期間が増減した場合、実際の
 作業期間、投入要員に応じて日を単位として委託料を増減できるものとします。

3 概要設計完了前に提出した第1項③の詳細設計以降の見積額はその時点にお
 ける限られた情報から算出した参考的な見積もりであって、概要設計が終了した段
 階で正式に見積もりを行います。                        

4 甲の承認を得て固定した仕様を甲が変更した場合、乙は、委託料の変更を求め
 ることができます。                             

       指定場所:東京都内                           

5 サービス提供のために乙の技術者が以下に定める指定場所以外に出向く場合に
 は、乙は、その交通費(特急 座席指定 普通運賃)及び甲が指定する宿泊施設の宿
 料の実費を請求、もしくはその見積額を見積書の見積金額に加算することがで泊き
 ます。                                 

6 第1項の委託料は、乙が行うプロジェクト管理、品質管理、甲との会議等の間接時
 を考慮して定めることができます。間接時間に要する費用は委託料のおおむね10
 %を限度とします。                          

 第5条(実施)                              

 乙は、個別契約ごとにサービスの遂行に適した能力を有する技術者(以下技術者といいます)を選任し担当させます。                      

2 甲、乙は個別契約にあたりそれぞれ責任者を選任します。          

3 前項の責任者は、本件業務の遂行に関連する事項についてそれぞれを代理する
 権限を有します。                              

4 甲は、本件システム開発に必要な利用者側の担当者を選任し、対象業務に参画
 させ、甲乙協議して定めた役割分担により乙と共同して対象業務を行います。

5 乙は、サービスの提供にあたり甲に対して必要な協力を求めることができ、乙より
 協力の依頼があったときは、甲は、甲の担当者に協力を要請するものとします。

6 本件サービスの提供、プロジェクトの運営 管理は、乙所定の開発手法を基準に
 甲、乙協議した方法により行うものとします。                

 第6条(再委託)                             

 乙は、本件業務の実施上、必要のある場合、本件業務の一部を第三者に再委託もしくは第三者から技術者の派遣を受けて本件業務を実施することができます。 

2 前項の場合、乙は甲に対して再委託先及び再委託業務の内容を通知します。

3 乙は、本件業務の一部を再委託する場合もしくは技術者を受け入れる場合、本委
 託契約に定めた事項を再委託先等が遵守するように指導し、管理・監督を行います。                                   
 第7条(指定実施場所)                          

 サービスの提供上必要のある場合、乙はサービスを甲の事業所(以下、指定実施場所といいます)において提供するものとします。                

2 乙がサービスを指定実施場所で提供する場合、甲は乙のため独立した作業場所、 その他必要な備品、電話、複写機等を乙に提供するものとします。       

3 作業場所及び備品の賃料は無償とします。電話代、複写機についての費用負担
 は個別契約で定めます。                           

4 コンピュータ、端末機器の使用については別に定めます。          

5 乙は、指定実施場所の使用にあたり甲の定める規則を遵守し、指示に従い、その
 序維持及び安全衛生の確保に努めるものとします。             

6 乙は、指定実施場所で本件業務を行う担当者(再委託先等の担当者を含む)につ
 いて氏名等の必要な事項を事前に甲に届け出ます。              

 第8条(指揮命令の禁止)                         

 前条に基づき指定実施場所においてサービスを提供する場合といえども、甲は乙の技術者に対して直接の指揮命令はできません。                 

2 指定実施場所においてサービスを提供する場合といえども、乙の技術者は乙の定
 めた就業規則が適用されます。                       

 第9条(現場責任者)                           

 乙が指定実施場所においてサービスを提供する場合、乙は現場責任者を指定実施場所ごとに定め、これを書面でもって甲に通知するものとします。         

2 前項の現場責任者は、指定実施場所内の乙の技術者を統括し乙の定める規則
 に基づいて就業管理を行います。                        

 第10条(資料等の提供と管理)                      

 乙は、サービスの提供に必要な資料の提供(以下、資料といいます)を甲に求めることができます                               

2 乙は、甲から入手する一切の資料について善管注意義務を負い、その保管管理
 に一切の責任を負います。                          

3 乙は、資料をサービスの提供以外の目的に使用してはならないものとし、その内
 容を第三者に開示することはできません。                  

4 乙は、サービス提供の終了後、遅滞なく資料及びその複製物を甲に返却しなけれ
 ばなりません。                              

 第11条(機器等の選定)                         

 個別契約に基づき乙がコンピュータ等の必要な機器を選定したとしても、その導入は甲の責任において行われ、購入契約は甲と当該機器の売り主との間で締結します。
2 乙は、甲の購入した機器が正常に稼働するように甲を援助いたしますが、機器自
 体の瑕疵担保責任等は負いません。                     

 第12条(権利義務の譲渡禁止)                      

 甲乙双方とも、本契約及び個別契約に関連して生じる権利又は義務を第三者に譲渡し、承継させてはなりません。                        

 第13条(検査)                             

 乙は、個別契約ごとに個別契約で定める成果物(成果物がない場合にはその実施結果。以下、合わせて成果物といいます)を個別契約で定める日までに甲に提出するものとします。成果物の納入が遅滞するときは、乙はただちに甲に通知し、協議のうえ新たな納入日を設定します。                         

2 甲は、乙から成果物が提出された場合、個別契約で定める期間内に検査を終了
 させ、その結果を乙に通知します。                      

3 個別契約で定める検査期間を経過しても甲から何らの通知がないときは、前項の
 検査に合格したものとみなします。                     

4 検査において乙の責めに帰すべき瑕疵もしくは不履行な部分が発見されたときは、 乙は、甲と協議のうえ定めた期間内にその補修等を行い再検査を受けます。 

5 第2項、第3項の規定は、再検査においても適用されます。         

 第14条(権利の帰属)                          

 個別契約に基づき作成された成果物の所有権、著作権は、甲が個別契約で定める委託料を全額支払うことによって、乙から甲に移転します。ただし、乙が作成した共通的に使用されるモジュール ルーチンについての著作権は乙において留保するものとします。                                  

2 前項の移転する権利には、著作権法第27条、同第28条の権利を含みます。 

 第15条(機密保持)                           

 甲、乙は、サービスの提供によって知り得た相手方の技術、財務、生産、営業等についての機密を保持する義務を負います。                   

2 前項の規定は、本契約及び個別契約の終了後も有効に存続します。      

 第16条(同種サービスの提供)                      

 乙は、第14条、第15条の規定にかかわらず甲の営業品目と類似した品目を取り扱う第三者に対して本契約と同種のサービスを提供することができます。     

 第17条(無償保証)                           

 乙の責めに帰すべき理由により生じた隠れたる瑕疵が発見された場合、乙は、本契約に基づき締結された最後の個別契約の成果物の検査完了日から当該個別契約で定める期間、無償で瑕疵補修を行います。

 ただし、第4条第1項の工程区分の①基本計画、②概要設計において甲の承認を得て固定した仕様についての機能上の不足 変更等については、乙は責任を負いません。                    

 第18条(履行遅滞の責任)                        

 乙は、個別契約で定める成果物の提出期限を遅延すると判断した場合、ただちに、甲に通知しなければなりません。                       

2 乙が前項の通知をした場合及び第13条第4項の規定に従って再検査のため成
 果物の瑕疵もしくは未履行部分の補修等を行ったため対象業務の完成が遅延した
 場合、甲は乙に対して履行遅滞による損害賠償の請求はできません。       

 第19条(責任制限)                           

 履行不能又は不完全履行もしくは第17条の隠れたる瑕疵について第17条の無償保証期間を経過してもその解決の見通しがたたない場合には、乙は、甲が現実に被った損害について、次条に定める賠償責任の限度内において金銭による損害賠償を行います。乙は、甲の間接的 派生的な特別損害については一切責任を負いません。  
2 前項の規定は、第4条第1項③(詳細設計、プログラミング等)の工程についての
 個別契約が締結された場合にのみ適用されるものとし、第4条第1項③の工程につ
 いて個別契約が締結されなかったときに、乙が負う責任は、サービスの再提供に限
 られます。                               

3 乙は、第4条第1項の工程区分の①基本計画について、繰り返し提案を行ったに
 もかかわらず、甲が受け入れない場合については、その責任を負いません。   

4 第1項の甲が現実に被った損害の中には、対象業務を実施させるために必要な
 機器の取得 保全 運転費用は含みません。                  

 第20条(賠償限度額)                          

 本契約もしくは個別契約により乙が負う損害賠償の限度額は、第4条第1項③の工程の個別契約に定める委託金額を限度とします。                

2 その他、乙が甲に対して損害を与えた場合についても、請求原因の如何を問わず
 第19条及び本条が準用されます。                     

 第21条(中途解除)                           

 本契約又は個別契約が契約期間の途中で終了したとしても、終了原因のいかんにかかわらずその解除の効力は、将来に向かってのみ生じ、甲はそれまで乙がなしたサービスの結果を引き受け、委託料を協議のうえ精算するものとします。       

 第22条(管轄裁判所)                          

 本契約及び個別契約に関する訴訟については、○○○地方裁判所をもって合意の管轄裁判所とします。                             

 第23条(協議)                             

 本契約あるいは個別契約に定めのない事項及び本契約あるいは個別契約の各条項に疑義が生じたときは、甲、乙協議し信義誠実の原則に基づき円満に解決するものとします。                                   
                                      
 本契約の締結を証して甲、乙が署名(記名) 押印した本契約の原本2通を作成し、各自1通ずつ保有するものとします。                   

      平成  年  月  日                        
                              甲               
                                      

                              乙               
                                      

 

 

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