(2)標準的な請負型ソフトウエア開発個別契約書(契約2)

 これは、契約1の基本契約に対応する個別契約書例である。この基本契約書では個別契約については注文書・請書の交換ではなくて連署式の契約書を用いる旨を規定している。
 従って、この個別契約書も双方が署名(記名)・押印する形式になっている。基本契約書では、契約当事者間の個別事情をあまり考慮せず基本的ルールを定めているので、字句の記述個所をできるだけ少なくしてある。個別契約書のほうは、個々の取引ごとの特殊性を反映させるため、様式だけを指定し後は交渉によって契約条件を取り決めていくというスタイルになっている。

 ここには、相手から受領資料、作業内容、成果物、プログラミングであれば担当するルーチンなどを特定する。

 請負業務の範囲については、スペース的に要約したものしか記載できないので、実務上は、「別紙添付の○○○仕様書のとおり」「別紙添付の作業計画のとおり」というようにして特定する。この場合、どの仕様書かを特定するために、「甲乙双方が本契約書に使用する印鑑でもって押印した○○○仕様書」「甲乙双方がその表紙に記名・押印した○○○仕様書」というように特定することも1つの方法である。  

1)無償保証期間

 無償保証期間については、基本契約書の中で一律に期間を定めてしまう方法もあるが、この契約書では、開発システムの個別事情を考慮して個別契約で定めることにしている。例えば、100万円以下のメンテナンスの契約でも一律に6か月、1年といった期間を設定することは負担が過重になってしまうので、1か月とか2か月といった短期間の保証期間を個別契約で定められるようにしているわけだ。

2)ユーザーの事業所内で作業などを行う場合の条件

 ここには、ユーザーの事業所内で作業を行う場合の条件を記載することになっている。最低限、貸与物件と返還期限、作業場所を特定しておく必要がある。一般的には無償のケースが多いが、有償の場合には費用の負担方法も記載しておく。これも契約2のようにチェックリスト的に取り決めることも1つの方法である。

 ユーザーの事業所内で作業を行うときは、原則として机の配置などをユーザーの社員と区分して会社名を掲げるというような指導がされてきた。このようなことを現場に十分に徹底しておくことも必要であるが、契約書上もこのようなことをうたっておく。

 契約2 システム開発請負個別契約書


システム開発業務請負個別契約書

            
              を甲とし、           を乙として、甲と乙とは、平成  年  月 日付きシステム開発業務請負基本契約に基づきシステム開発業務請負個別契約を締結します。                       

第1条(請負業務名)                           
                                      
                                      

第2条(請負業務の内容)                         
                                      
                                      
                                      
第3条(提供を受ける資料)                        

 別紙1記載のとおりとします。                       

第4条(成果物)                             

 別紙2記載のとおりとします。                       

第5条(請負金額)                            

 総額        円(請負金額      円、消費税       円) 

第6条(請負金額以外の甲の費用負担)                   

 なし。交通費については請負金額に含みます。                

第7条(納入期限)                            

 平成○年○月○日                             

第8条(納入場所)                            

 甲本社                                  

第9条(進捗報告他)                           

 ①乙は、毎月末に翌月の作業計画を立案し甲に提出し、毎月1回以上進捗報告を  行います。                                

 ②乙は、甲の定めたプロジェクト規約に従って作業を行います。        
                                      
第10条(検査期間)                           

 成果物の納入後○カ月間                          

第11条(無償保証期間)                         

 最終成果物についての検査終了後6カ月間とします。             

第12条(乙事業所以外の作業実施場所)                  

 甲本社情報システム部門                          

 第13条(甲事業所内で作業を行う場合の条件)               

 ①甲は乙のために独立した作業場所を確保します               

 ②貸与物件                                
   椅子 机各6台、キャビネット1台、複写機1台(兼用)、電話(兼用)   

 ③貸与期間                                
   最終的成果物の検査終了まで                       

 ④貸与条件                                
   使用料は無償。複写機は1枚につき7円の用紙代等の実費を支払う。     
                                      
 本契約の成立を証して甲、乙が記名 押印した原本1通と原本を複写機で複写した写し1通を作成し、甲が原本を、乙がその写しを保有する。          
                                      
   平成  年  月  日                           
                                      
                      甲                       
                                      

                      乙                       
                                      


                                      

 

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