(3)共同事業体の設立についての協定書(契約3)

 契約3は、大規模なシステム開発を受注するために数社が共同事業体を設立し受注する場合の構成員相互間の事項を取り決めた協定書例である。この共同事業体というのは民法上の組合と考えられる。

 民法上の組合というのは、法人ではなくて、同一の仕事をやりとげるための契約である。従って、請負業務を行うのであれば問題はないが、派遣事業を行うことはできない。派遣形式の場合は、各構成員とユーザーとが個々に要員派遣契約を締結しなければならない。

 この契約では、各構成員が費用をあらかじめ出資し、作業割合に応じてその費用を出資金から受け取り、事業終了後に決算をして利益を配分するということを想定している。

 契約3の②は、委託者に対して構成員は連帯して責任を負う旨の誓約書例と委託料の請求・受領を代表者に委任するための委任状例である。
                                        
 契約3① システム開発共同事業体協定書


システム開発共同事業体協定書

(目 的)                                  

第1条

 この共同事業体は、次の事業(以下、「本件事業」という)を共同して営むことを目的とし、他の事業は一切営まない。                  

 ①○○○株式会社より委託を受けた○○○○システムの開発・導入・実施援助業
  務

 ②前号に付帯する事業                           

(名 称)                                  

第2条

 この共同事業体は、○○○システム開発共同事業体(以下「共同事業体」という)と称する。                              

(事務所の所在地)                             

第3条

 この共同事業体は、事務所を内に置く。                     
                                 
(成立の時期及び解散の時期)                        

第4条

 この共同事業体は、本契約締結の日に成立し、委託者との本件事業についての契約が終了する日に解散する。                       

(構成員)                                 

第5条

 この共同事業体の構成員(以下、「構成員」という)は次の通りとする。 
                                      
(代表者)                                 

第6条

 この共同事業体は、○○○○株式会社をもって代表者とする。      

(代表者の権限)                              

第7条

 この共同事業体の代表者は、本件事業に関し、共同事業体を代表して、委託者と折衝する権限及び共同事業体の名義をもってする受託契約(その変更契約を含む)の締結、受託代金(前払金及び部分払金を含む)の請求及び受領並びにこの共同事業体に属する財産を管理する権限を有するものとする。            

(構成員の出資比率)                            

第8条

 構成員は、本件事業の遂行及び共同事業体の運営に要する費用について、別紙に定める割合により出資する。                       

2 代表者は、本件事業の総費用を見積もり各構成員の出資額案を作成し、次条の
 委員会において承認を得る。                         

3 前項の総費用の見積もりには次の費用を含むものとする。          

 ①本件事業に従事する担当者の人件費                    

 ②共同事業体の事務所賃借料・水道光熱費相当額               

 ③事務所の電話、ファクシミリ等の通信費                  

 ④本件事業に使用する機器のリース代                    

 ⑤文房具、事務所用の雑費                         

 ⑥その他、委託者との委託契約締結、本件事業の遂行に要する費用       

 ⑦委託者との会議費、共同事業体内部の会議費                

 ⑧共同事業体の事務費                           

4 構成員は、承認を受けた出資額案に基づき金銭を出資する。委員会の承認を受
 けた場合、現物を提供することによって金銭による出資に替えることができる。現物 を提供した場合の評価は委員会で決定する。                 

5 構成員は、委員会の承認を得て本件事業を遂行するために支出した費用につい
 て共同事業体に対してその償還を請求できる。                 

6 第3項の見積もりを超過することが明らかになった場合、代表者はただちに委員
 会を招集し、委員会は追加の出資額を決定する。               

7 構成員は、委員会で出資額の追加が決定された場合は異議なくこれに応じなけ
 ればならない。                               

(運営委員会)                               

第9条

 構成員は、共同事業体の運営を行うための委員を2名ずつ選任する。   

2 前項の委員は、共同事業体の運営、委託契約の履行について構成員を代理す
 る権限を有し、共同事業体の意思決定を行う。                  

3 委員会の意思決定は、 名以上出席する委員会において過半数で決する。議決
 権は1社1つとする。                            

4 本件事業を遂行するための契約の締結、金銭の支出についてはあらかじめ委員
 会で承認を得なければならない。                       

(構成員の責任)                              

第10条

 構成員は、共同事業体の運営、委託契約の履行に関し、委託者に対して連帯して責任を負うものとする。                        

(取引金融機関)                              

第11条

 この共同事業体の取引金融機関は、          とし、代表者の
名義により設けられた別口座によって取引するものとする。           

(会計処理)                                

第12条

 代表者は、共同事業体名義で行う日々の金銭の出納、取引について会計処理を行い、本件事業終了後ただちに本件事業について決算を行う。その会計期間は共同事業体成立の日から解散の日までとする。                  

2 代表者は、会計処理についての資料を保存し、構成員より請求があったときはこ
 れを開示しなければならない。                       

(利益金の配分)                              

第13条

 決算の結果、利益を生じたときは、第8条第1項に定める出資割合により構成員に配分するものとする。                        

(欠損の負担)                               

第14条

 決算の結果、欠損が生じたときは、第8条第1項に定める出資割合により構成員がその欠損を負担するものとする。                   

(権利義務の譲渡の制限)                          

第15条

 この協定書に基づく権利義務はこれを第三者に譲渡することはできない。

(構成員の脱退の制限)                           

第16条

 構成員は、委託者及び構成員全員の承認がなければこの共同事業体を脱退することができない。                            

2 構成員のうち本件業務の途中において前項の規定により脱退した者がある場合
 においては、残存構成員が連帯して本件事業を完成する。             

3 第1項の構成員の脱退があった場合の残存構成員の負担割合は、脱退構成員
 が脱退前に有していた負担の割合を、残存構成員が有している負担の割合により
 分割し、 これを第8条第1項による割合に加えた割合とする。ただし、運営委員会
 がこれと異なる決定をしたときは、その決定したところによる。              
4 脱退の効力は、将来に向かってのみ効力を有し、それまでになした本件事業の
 結果を引き渡し、その費用を請求することができる。脱退構成員は出資金の返済
 を求めることはできない。ただし、事業が欠損となった場合であってもその責任を負
 わない。

(構成員が破産又は解散した場合の処置)                   

第17条

 構成員のいずれかが本件事業の途中において倒産又は解散した場合においては、前条第2項から第4項までの規定を準用するものとする。         

(共同企業体解散後の瑕疵担保責任)                     

第18条

 構成員は、本件事業につき、瑕疵担保責任が生じたときは、この共同事業体が解散した後においても、引き続き連帯してその責めに任ずるものとする。   

(協定書に定めのない事項)                         

第19条

 この協定書に定めのない事項については、運営委員会において定めるものとする。                                  
 上記の通り、共同事業体協定を締結したので、その証拠としてこの協定書  通を作成し、それぞれに構成員が記名捺印し、各自所持するものとする。       

    平成  年  月  日                          
                                      
                                      
                 所在地        
                 商号又は名称    
                 代表者名      
                 所在地        
                 商号又は名称   
                 代表者名      
                                          (以下略)

 


 契約3② 共同事業体の設立に伴う委託者への誓約書及び委任状          


誓  約  書

                                  平成  年  月  日  
 ○○○○株式会社                             
 取締役システム部長○○○○殿                       

 この度連帯責任によって、貴社よりご用命を賜ります下記システム開発の共同受託を行うため、別添の協定書により○○○システム株式会社を代表者とする共同事業体を結成いたしましたので、協定書及び委任状を添えてお届けいたしますとともに、貴社と代表者との間の委託契約の履行につき構成員は連帯して責任を負うことを誓約いたします。                                 

受託業務名                                 

      所在地                             
      企業名                             
      代表者名                            
      所在地                        
                        (以下略)


委  任  状

             殿                            

 私は、共同事業体代表者○○○システム株式会社を代理人と定め、貴社の委託によるシステム開発業務の契約に関する次の権限を委任いたします。         

 

    1.契約の締結に関すること                         

    2.委託金の請求及び受領について                      

    3.複代理人の選任について                         

                                   平成  年  月  日    

  東京都○○区○町○丁目○番○号                     
  株式会社○○○○コンピュータ                      
  代表取締役 ○○○○                          
                        (以下略)

 

 

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