(2)プログラム使用契約の問題点と契約文例

1)表 題

 表題としては一般に「○○○プログラム使用許諾契約書」といった名称が使用されることが多い。

2)前 文

 前文は、他の契約書のそれと同様である。前文の意義、定め方の原則については第1章を参照していただきたい。

  <文例1>


 ○○○株式会社を甲とし、○○○システム株式会社を乙として、乙が一切の権利を有 する下記の機械構成で使用する下記のプログラムについて、乙は以下の条項により甲に対してその非独占的な使用を許諾します。                  

(略)

3)使用権の類型

 使用権の類型を明らかにする。使用権の類型というのは、その使用許諾が独占的なものか非独占的なものかの区分のことであり、非独占的ということは、ソフトウェア会社はその客先以外の第三者にも同様の使用を許諾できるということである。

  <文例2 使用権の類型について定めた例>


 第○条                                  

 乙が甲に使用を許諾する本件プログラム等の使用権は、非独占的なものであり、乙は、甲以外の第三者にも本件プログラム等の使用を許諾できるものとします。
   


4)提供物件の特定

 契約の履行にあたりソフトウェア会社がユーザーに提供する物件を特定しなければならない。

 ここで注意しなければならないことはプログラムなどの運送費である。債務の履行に要する費用は債務者、この場合はソフトウェア会社が負担しなければならない。

  <文例3>


 第○条                                  

本契約の締結後、○日以内に、乙は別紙に定める物件を甲の所在地において甲に引き渡します。                                 


5)料 

 民法614条は、「賃借ハ動産、建物及ヒ宅地ニ付イテハ毎月末ニ……支払フコトヲ要ス……」とある。また、民法484条は「弁済ヲ為スヘキ場所ニ付キ特段ノ意思表示ナキトキハ……債権者の現時ノ住所ニ於テ之ヲ為スコトヲ要ス」とある。 すなわち、賃料は「後払い、持参払い」が原則であるが、これは任意規定なので、前払い、全使用期間の一括前払い、1年分の前払いといった方法でも差し支えない。

 振込手数料は、債務者である使用者が負担しなければならない(民法485条)。金銭債務の弁済は通貨、すなわち現金で行わなければならない。使用料を小切手や手形で支払う場合には、相手方(ソフトウェア会社)の承諾を要する。

 料金は、月額あるいは一括前払いで定めるのが一般的である。契約書の作成にあたっては、特に①試用期間との関係での料金算定の始期、②瑕疵が発見された場合のその補修期間中の料金の取り扱い、③改良版の取り扱い、④料金の対象外の事項などを取り決めておくことが必要である。

 <文例4 月払いの使用契約の場合の例>


 第○条                                  

1 本契約に基づく本件プログラム等の使用料金は月額○○○○○円とし、甲は翌月
  分の使用料を毎月末日までに支払い、1カ月にみたない月の料金はその月の日
  数によって日割計算するものとします。                   

2 前項の使用料は第○条のテストが終了した翌日より算定されます。      

3 第1項の使用料には、第○条に定める物件の甲による使用の対価及び第○条に
  規定するテスト期間中の技術援助、本件プログラムを本件システムに設置する費
  用だけが含まれます。                           

4 第○条に定める保証期間中に発見された瑕疵によって本件プログラムを使用でき
  なかった場合、停止期間に対応する使用料相当額を毎月日割計算によって計算し
  控除します。                              

5 甲の業務目的、機械構成に合致させるための本件プログラム等の変更費用及び
  テスト期間経過後の技術指導については、別にプログラム開発委託契約、プログ
  ラム保守契約を締結します。                        

6 本件プログラム等が改良された場合、乙は、甲が料金の改定に応じることを条件
  に改良されたプログラム等を提供します。     

            
6) 契約期間

 使用期間の定め方には二種類あり、一つは文例5のように契約期間の満了日をあらかじめ決めてしまう方法と、文例6のようにいずれかの当事者が解約の申し込みをするまで継続するという方法がある。

 前者の場合は自動延長条項を付ける例が多い。

 <文例5 期間を定め自動延長条項を付けた例>


 第○条(契約期間)                            

 本契約は平成○年○○月○日から同○年○○月○日まで有効に存続するものとします。但し当事者のいずれか一方から期間満了日の○○日前までに書面による解約の通知がない限り、1年間自動的に延長されその後も同様とします。         


 <文例6 期間を定めない例>


 第○条                                  

 本契約は、当事者の一方から相手方に対して○カ月の予告期間を付した事前の書面による通知により解約されるまで有効に存続します。              

 

 

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