第11章  ソフトウェア使用許諾契約書

 

1 プログラム使用契約の問題点と契約文例
(1)プログラム使用契約の法的性格

 プログラム使用契約というのは、民法の典型契約の区分からいくと、売買もしくは賃貸借と解される。使用期間を定めない一括支払いのケースは売買の色彩が強いが、一般の売買契約と異なり使用者が限定されたり、譲渡などの処分が許されていなかったり、契約が終了したときには物件の廃棄が義務づけられたりしており、実質的には賃貸借に近いと思われる。

 賃貸借についての規定は、民法601条から622条までに定められている。

 賃貸借とは、当事者の一方が相手方に対して物の使用及び収益をさせ、相手方がその賃料を支払うことを約す契約である(民法601条)。

 賃貸人は賃貸物の使用及び収益に必要な修繕義務を負う(民法606条1項)。

 賃借人は賃借物につき賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対してただちにその償還を請求することができる(民法608条第1項)。また、賃借物に有益費(賃借物の価値を高める費用)を支出したときは賃貸借終了時においてその価値が残っていれば償還請求ができる(民法608条2項)。

 賃借権の譲渡・転貸は禁止されている(民法612条)。             

 賃料の支払時期は毎月末である(民法614条)。後払いということである。

 賃借物に修繕を要しまたは賃借物につき権利を主張する者があるときは、賃借人は遅滞なくこれを賃貸人に通知しなければならない(民法615条)。

 期間の定めのない賃貸借においては各当事者はいつにても解約の申し入れをすることができ、動産にあっては解約の申し入れ後1日を経過したときに契約は終了する(民法617条)。賃貸借の解除は将来に向かってのみその効力を生ずる(民法620条)。

 プログラム使用契約に関する賃貸借の民法上の規定をまとめると以上のようになるが、これらの規定はいずれも任意規定であり、契約当事者が異なった取り決めをしたときは、当事者の取り決めが優先する。

 

 

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